雪害にあった富良野の農家さんが思いを込めたメロンの出荷

日本農業新聞さんの記事。

3月に大雪の被害があった富良野地区の情報。ビニールハウスが300棟以上も倒壊。D型ハウスなども多く倒壊した。

苦境の中、出荷されるメロンなどの商品には、農家さんの特別な想いが詰まっている。

弊社でも、秋に富良野で雪害で倉庫が倒壊した農家さんの現場あるので、微力ながら応援していきたい。

 

雪害乗り越えメロン出荷 万感の思い込め JAふらの管内
日本農業新聞

北海道屈指のメロン産地・JAふらの管内は3月、深刻な雪害に見舞われた。水稲育苗やアスパラガスなども含めて372棟のハウスが倒壊。記録的な大雪の中、農家が夜明け前から日没まで懸命に雪かきを続けた。何とか残ったハウスで大切に育てたメロンは、離農者を出さず順調な出荷を迎えた。関係者は「今年産は農家の思いが特に詰まっている」と語る。(尾原浩子)

雪害が発生したのは、前線を伴う低気圧が北海道を通過した3月2日。前日から大雪の予報が出ていたため、農家はそれぞれ支柱を立てて、雪かきできるようにスペースを確保するなど入念な対策をしていた。

だが、想定外の雪が降り続けた。1979年の統計開始以来、最大の降雪量となった。メロン農家は家族経営で、人手も限られることもあり、雪かきが追いつかなかった。

JAによると、ほぼ全ての農家が早朝から真っ暗になるまで、雪下ろしを続けた。2日午前0時から食事も取らずに雪を落とし続けた農家もいた。それでも間に合わなかったハウスが被害を受けた。メロン以外も含め372棟が倒壊。メロン農家のうち7割以上が被害に遭った。全てのハウスで被害が出た農家もいる。今シーズン、管内でメロンは5万玉の減産を余儀なくされた。

家族3人で雪かき16時間
富良野メロン生産組合の亀渕貴史さん(49)も被害に遭った一人だ。大雪をかきわけハウスにたどり着き、午前4時から除雪作業を進めた。事前にトラクターで雪かきをしていたが、ビニールをかけていた8棟には雪が積もり続けていた。

家族3人で16時間以上、ひたすらハウスの雪を「ゆきぼっこ」と呼ぶ道具で雪を落とし続けた。やっと終わったのは午後7時。それでも、1棟のハウスは雪の重みでぺちゃんこにつぶれてしまった。

亀渕さんは「後ろばかり見ても仕方ない。前を向こうとみんなで言い聞かせて、残ったハウスで栽培した。今年のメロンへの思いは、いつもと違う」と現在、順調に育つメロンを見詰めながら話す。つぶれたハウスは、出荷が落ち着いた秋に再建する方針だ。

多くのハウスが倒壊したが、道内JAの支援や農水省の事業などの後押しもあり、離農者は出なかった。農家は、残ったハウスで栽培を諦めなかった。

JAの植崎博行組合長は「これだけの被害に遭っても、無事においしいメロンが出荷できた。被害を乗り越えようと農家の思いのこもったメロンを多くの人に味わってほしい」と話す。