JALのいちご農園、大型ビニールハウスの依頼きたら嬉しいな
JALのいちご農園の記事、JALが農業に参入していたとは、知らなった。
JALさんの大型ビニールハウスを建ててみたい、、、。
JALのいちごが甘いのは“収穫しない”から? 美味しさの理由を成田のいちご狩り農園で食べてきた!
編集部:松本俊哉2022年4月8日 09:00JALのいちご農園でいちごを食べてきた
4年前の2018年5月、JALと和郷は共同出資会社「JAL Agriport株式会社」を設立し、農産物の収穫体験や料理を提供する体験型農園を開設した。JAL Agriportの「観光農園事業」の中心にあるのが千葉県成田市で運営するいちご農園「いちごのみ(STRAWBERRY PORT ICHIGONOMI)」で、大きなビニールハウスではいちご狩りを楽しむことができる。今回、この施設でいちご狩り体験をする機会を得たのでレポートする。ちなみに、歩いて数分の距離には、JALの機内食やラウンジのビーフカレーを提供することでも知られるレストラン「DINING PORT 御料鶴」がある。
いちごのみ(STRAWBERRY PORT ICHIGONOMI)
開催期間: 2022年1月2日~5月31日
定休: 月曜(月曜が祝日の場合は火曜)
開催時間: 1日6枠(10時~、11時~、12時~、13時~、14時~、15時~)
料金:
4月1日~5月5日 大人1800円、子供1300円
5月6日~31日 大人1600円、子供1100円いちごのみ(STRAWBERRY PORT ICHIGONOMI)
成田空港からクルマで15分ほどの立地。移転した新生成田市場にも近く、もちろん駐車場も完備している
JALと農業のつながり
JALは、JAPAN PROJECTやふるさとプロジェクトなどを通じて地域活性の取り組みを全国的に行なっているが、その中核にはいつも農業がある。JAL Agriportが手がける事業は、果物・野菜の収穫体験や農家レストランでの食事などを通じて地産地消を促進し、休農地の活用、観光客の誘致、生産から加工・流通までを行なうことで6次化するなど、農業を起点に多角的な地域活性を進める狙いがある。
その1つが約5000m2 という大きなビニールハウスで行なっているいちご栽培だ。成田空港からクルマで15分ほどの農園は、知らないと通り過ぎてしまいそうな静かな場所にあり、入口もJALの鶴丸ロゴが小さく掲げられた控えめな佇まい。ところが、施設に一歩踏み入ると甘いいちごの香りが押し寄せるように充満していて、奥のガラス戸の向こうにいちご棚がぎっしり並んでいるのが見える。
なかに入るといちご狩りの受付や直売品を販売を行なうカウンターがある
安いし、熟し方がすごい。特に箱詰めの方は買わない選択肢はないってくらい安い
ちなみに周辺にはサツマイモ畑やぶどう畑、ブルーベリー畑もあり、収穫体験はもちろん、苗の植え付けや除草など、生育の過程でさまざまな体験会を行なっている。また、ここで収穫したサツマイモはプライベートブランドの芋焼酎「鶴空」として販売している。こうした「プライベートブランドの開発と販売」も、JAL Agriportの事業の柱の1つだ。いちご農園で栽培しているのは、「とちおとめ」「おいCベリー」「やよいひめ」「紅ほっぺ」「かおり野」の5品種(取材時)。ハウスの内部は18区画に分かれていて、それぞれ異なる品種を育てている。
ハウスのなかは異なる品種を育成する18の区画で分かれている。中央の通路は滑走路デザイン
施設入り口の印象とは裏腹にハウスのなかは非常に広い
ちなみに水やりは機械制御
育成状況は棚によって異なるため、いちご狩り体験ができる区画は日によって変わる
見事な円錐型(このあといただきました)
5つの品種を食べ比べてみた
試食した順に印象を記すと、「かおり野」は大ぶりな果実で果汁が多め。いわゆる三角錐の“いかにもいちご”な形ではないけれど、大きくて食べ応えがあるのがいい。甘さは少し控えめな印象。「おいCベリー」は名前のとおりビタミンC含有量が多いのが特徴の品種。ちょっと小粒で硬めの果肉で、硬さのおかげで日持ちがよいとか。
「やよいひめ」も、かおり野に負けず劣らずの大きな果実で、果汁が多めで歯ごたえのある果肉。見た目には、ヘタの荒ぶった感じが個性的。
「とちおとめ」はご存じ栃木県原産の品種で、関東の人なら食べたことがあるはず、というくらいメジャーないちご。きれいな三角錐で、甘みと酸味が両立している。
大定番という「紅ほっぺ」は実は初耳だったのだけど、小ぶりで歯ごたえのある果肉にしっかりと甘みと酸味があって、確かになじみのある味わい。たぶんこれまでにも食べてるはず。
結果、個人的に気に入ったのは、果実の食べ応えがしっかりしている紅ほっぺとやよいひめだった。
18区画で育てているすべての品種が自由に食べられるわけではなくて、育成状況によって開放している部分とロープで立ち入りを制限している部分に分かれている。その日どの区画を開放しているかは、施設入り口に掲示しているので、お目当ての品種があるなら確認しておくのがよいだろう。ちなみに、区画の入口付近には、棚を低くして通路を広く取った、車椅子や子供でも摘みやすいレーンを用意している。
また、ハウス内は、感染症対策でビニールの手袋を用意している。棚で摘んだいちごは紙コップに入れて、テーブルのある通路まで戻って食べる。つまり、マスクは外すのはテーブルの前だけ、というルールになっているわけだ。
取材中に驚いたのは、「いちごの香りに釣られて迷い込んできたハチがいる」と思ったら、勝手に入ってきたのではなく、ハウスで飼育しているハチだということ。「マルハナバチ」というコロンとした体形のハチで、いちごの受粉はハチ任せ。実は、人間の手で受粉すると形が不揃いになってしまうそうで、この大切な部分を自然の仕組みに委ねているというのがおもしろい。そのため、ハウス内にはハチたちの巣箱が存在するが、おとなしい種類なので脅かしたり手で払ったりしなければ、刺されることはないという。
入口に近い区画は、低めの棚に広めの通路という作りで、子供や車椅子利用者も摘みやすくなっている
マルハナバチがハウス内に放たれている。受粉助かる(虫が苦手な人向けに引き気味で撮影しています)
ハウス内は感染症対策でビニールの使い捨て手袋を用意。棚で摘んで、通路に戻って食べるのがルール
美味しさの理由は収穫しないから?
5つの品種は果汁の多い少ない、果実の大きい小さい、果肉の歯ごたえの強弱などで個性があり、人によって好みは分かれると思われるが、どれもしっかり熟していて甘くて、自慢のいちごというのも頷ける。この美味しさの理由は「直売」にあるという。一般的にいちご農家が市場に出荷する場合、葉の根元まで実が真っ赤に熟した状態にしてしまうと流通の過程でピークを過ぎてしまうため、少し早めに収穫して、流通の過程で追熟させる。しかし、いちごのみでは直売とその場で食べるいちご狩りが主であるため、完熟するまで収穫されず、その間も糖度が高くなっていく。実は株から離れると、いちごの糖度は徐々に下がってしまう。そのため、食べられる直前まで株に実っているこの農園のいちごは甘くて美味しいのだ。