競走馬のための厩舎・簡易馬房、日高地方で完成3月

厩舎内部、簡易馬房

2~3月にかけて、日高地方で建設していた厩舎の写真をアップします。

ここ1,2年は例年に比べて競走馬の関係者からパイプハウス倉庫、厩舎、簡易馬房、屋内馬場(乗馬練習場)のご相談が増えてきています。景気が良いのか、業界的には盛り上がっているようです。

そして有難いことに、施設新設の選択肢として弊社の486パイプハウスをご検討していただいております。

今回の日高の物件は、
間口10.8m、奥行27m、軒高3m、約90坪、シングルアーチ
前後妻扉(高さ3m、幅3.6m)、軒出し、側面巻き上げ、棟板金(カラス対策)
中造作工事(馬房制作一式)

柱、扉など、すべて自社で加工、溶接など行ったため工期が2ヶ月近くかかりました。職人のみなさんもよく頑張ってくれたと思います。

2023年度も乗馬クラブさんの屋内馬場など建設などがありので、競走馬の業界に弊社のパイプハウスをもっともっと広めていきたいと、思います。

 

厩舎外観 簡易馬房 厩舎内部、簡易馬房 厩舎外観 厩舎内部 厩舎内アスファルト舗装 馬房組立工事中 厩舎ハウス工事中 馬房組立工事中

 

参考までに厩舎、馬房関連の情報をまとめてみました。

日本の競走馬の飼育頭数とその推移について調べてみました。

日本の競走馬の頭数の推移とその背景や歴史については以下の通りです。

1906年 – 1,222頭
日本初の競馬場である大井競馬場が開設され、国産の競走馬の生産が始まりました。当時の競走馬の種類は、主にアングロアラブ種と日本産馬で、競走馬の生産数は少なかったです。

1912年 – 3,058頭
明治期には日本において競馬が広まっていき、競走馬の需要が高まったため、生産数も増加しました。アングロアラブ種と日本産馬が生産され、競走馬の品種は多様化しました。

1930年 – 5,764頭
昭和期に入ると、競走馬の需要が一段と高まり、競馬に関連する施設の整備や競走馬の品種改良が進んでいきました。また、日本初の本格的な種牡馬、トウフクが誕生し、日本の競走馬生産に大きな影響を与えました。

1960年 – 16,173頭
戦後の高度経済成長期には、競馬が国民的なスポーツとして定着し、競走馬の需要が一層高まっていきました。そのため、競走馬の生産数は急速に増加しました。この時期には、アメリカやヨーロッパからの種牡馬も導入され、競走馬の品種改良が進みました。

1990年 – 33,374頭
バブル期には、競馬産業も大きく発展し、競走馬の生産数も過去最高を記録しました。この時期には、競馬の興行やメディア露出が一層増え、競馬産業が社会的な注目を集めました。

2000年 – 22,709頭
バブル崩壊後の景気後退期には、競走馬の需要が減少し、生産数も減少傾向にありました。この時期には、競馬界自体も不景気に苦しんでいたため、競走馬の生産数は減少しました。

2010年以降の日本の競走馬の頭数は、再び増加傾向にあります。2010年の競走馬の生産数は3,867頭でしたが、2019年には4,532頭まで増加しました。特に2015年以降は年々増加傾向が強まり、2018年には4,764頭を記録するなど、過去最高の数値を更新しています。

この増加傾向には、競走馬の需要の拡大が影響しています。2010年代以降、日本の競馬界は国際化が進んでおり、外国産馬や外国人騎手の参加も増加しています。このため、競走馬の需要が増加したことが生産数の増加につながっています。

また、競馬産業全体が成長し続けていることも、競走馬の生産数の増加につながっています。競馬の興行やメディア露出が増加したことで、競馬に対する関心が高まり、競走馬の需要も増加しています。さらに、競走馬の品種が多様化していることも、生産数の増加に寄与しています。

一方で、競走馬の生産数の増加により、競走馬の育成環境や競走馬の引退後の去就など、課題も浮き彫りになっています。今後も競馬産業全体の健全な発展のために、さまざまな課題に取り組んでいく必要があるでしょう。

厩舎と牛舎、豚舎など畜舎の違い

厩舎は、馬のための屋内施設であり、競走馬や乗馬馬、引退馬などが生活している場所です。馬のために特別に設計されており、飼料、水、トレーニング、および医療処置を提供するために必要な設備が備わっています。

一方、畜舎には、牛、豚、羊、家禽などの家畜が生活している場所を指します。畜舎は、畜産業での生産性を高めるために使用され、家畜の生活環境や健康を維持するために設計されています。畜舎は、家畜の生産物の品質や量、および畜産業の収益性を向上させることが目的です。

牛舎は、牛が生活している屋内施設であり、飼料、水、および医療処置を提供するための設備があります。牛舎は、牛の健康や生産性を維持するために、牛の体調や気候条件を管理することができます。

豚舎は、豚が生活している屋内施設であり、豚に必要な飼料、水、および医療処置を提供するための設備があります。豚舎は、豚の健康や生産性を維持するために、豚の体調や気候条件を管理することができます。

畜舎全般に言えることですが、畜舎の設計には、家畜の健康や生産性、動物福祉、および環境保護などの多くの要素が含まれます。適切な設計と管理は、畜産業の成功に不可欠であり、安全で健康的な畜産物の生産につながります。

厩舎、馬房の種類について

厩舎や馬房には、馬のために設計された様々な種類があります。以下に代表的なものを説明します。

1.スタンド式馬房
スタンド式馬房は、馬が個別に生活するのに最適なタイプの馬房です。個々のボックスには、食器や飲料水があり、室内外の両方のアクセスポイントが備わっています。馬は狭いスペースで生活するため、定期的な運動が必要です。

2.ウォークインスタイル馬房
ウォークインスタイル馬房は、広いスペースを提供するため、馬が歩いて自由に移動できるように設計されています。馬は、個々のボックスの中ではなく、共通のスペースで過ごします。これにより、馬が社交的な生き物であることを考慮し、社交的な行動を取ることができます。

3.パレス式馬房
パレス式馬房は、高級な施設で、一般的に競走馬のために使用されます。馬は、広々とした居住スペースと、トレーニング用の屋内施設を備えた個々のボックスで生活します。また、馬のための特別なトレーニングエリアが備わっていることもあります。

4.オープンスタイル馬房
オープンスタイル馬房は、屋外で馬を飼育するための設備で、屋根がないため、自然光や風を受けることができます。馬は自由に歩き回ることができ、広いスペースを提供するため、ストレスの軽減や運動に適しています。

5.コンビネーションスタイル馬房
コンビネーションスタイル馬房は、複数の馬房のタイプを組み合わせたもので、屋内に個別のボックスと、ウォークインスタイルのスペースを組み合わせたものがあります。馬の種類や個々のニーズに合わせて、柔軟に対応できるため、人気があります。

競走馬の厩舎や馬房を建設について

競走馬の厩舎や馬房を建設するには、以下のような情報が必要になります。

建設地の選定:競走馬の厩舎や馬房は、馬が快適に過ごせるような場所に建設する必要があります。建設地は、気候、地形、周囲の環境、アクセスのしやすさなどを考慮して選定します。

設計・施工:建設にあたっては、競走馬の生活環境を考慮した設計が必要です。厩舎や馬房は、馬が安全で快適に過ごせるような施設である必要があります。施工は、熟練した建築業者によって行われることが望ましいです。

設備:競走馬の厩舎や馬房には、馬の健康を維持するための設備が必要です。これには、水や飼料を供給するための配管、換気設備、温度調節設備、および馬の運動やトレーニングに必要な設備などが含まれます。

安全対策:競走馬の厩舎や馬房には、馬がけがをすることを防ぐための安全対策が必要です。これには、馬が逃げ出したり、他の馬と衝突したりしないような柵や仕切り、防火対策、監視システムなどが含まれます。

管理体制:競走馬の厩舎や馬房の管理には、専門的な知識や経験が必要です。厩務員やトレーナーなどのスタッフを雇用し、適切な管理体制を整える必要があります。

これらの要素を考慮して、競走馬の厩舎や馬房を建設することが重要です。また、競走馬の健康やトレーニングにとって最適な環境を提供することが求められます。

競走馬の主な産地とその特徴

日本における競走馬の主な産地は、北海道、青森県、岩手県、福島県、茨城県、新潟県、栃木県、群馬県、愛知県、三重県、兵庫県、香川県、宮崎県、熊本県などです。以下に、それぞれの産地の特徴を紹介します。

北海道:日本の競走馬の生産量の約70%が北海道で生産されています。広大な牧場が多くあり、良質な飼料や清潔な環境で競走馬の生産が行われています。また、日本の競走馬の代表格であるサクラバクシンオーなど、多くの名馬が北海道で生産されました。

福島県:北海道に次いで、競走馬の生産量が多い地域です。豊かな自然環境に加え、温暖な気候や肥沃な土地が競走馬の生産に適しているとされています。また、競走馬の生産に必要な施設や設備が整っていることも特徴です。

新潟県:飼料や水などの資源が豊富なことが、競走馬の生産に適しているとされています。また、日本有数の競走馬の繁殖牝馬が生まれる地域でもあります。

兵庫県:競走馬の生産量は全国的に見ても多く、スピードやパワーに優れた馬が多く生まれています。兵庫県は地震や台風などの自然災害に脆弱な地域であるため、競走馬の生産において地震や津波などの被害に強い施設や技術を開発するなど、独自の工夫がされています。

宮崎県:温暖な気候や湿度が高い環境が競走馬の生産に適しており、競走馬の生産量も全国的に見ても多い地域の一つです。また、グラスワンダーなど、日本を代表する競走馬が宮崎県で生まれました。

以上が、競走馬の主な産地とその特徴です。

北海道が競走馬の生産が盛んな理由

北海道が競走馬の生産が盛んな理由には、以下のような背景があります。

自然環境が適している:北海道は豊かな自然環境に恵まれており、牧場に適した草原や草が育ちやすい気候・地形が広がっています。また、寒暖の差が大きくなるため、夏の暑さや冬の寒さにも強い馬が生まれるとされています。

高品質の飼料が手に入る:北海道は、天然の草や飼料を生産するための土地が広がっているため、良質な飼料が比較的安価に手に入ります。これにより、競走馬に必要な栄養を十分に摂取できるため、品質の高い競走馬が生まれやすくなっています。

充実した施設・技術:競走馬の生産には、設備や技術が必要です。北海道は、競走馬の生産に必要な施設や技術が比較的充実しているため、生産効率が高くなっています。

早期の競走馬輸出の歴史:北海道で競走馬の生産が始まったのは、明治時代の終わり頃からです。その当時から、競走馬は海外に輸出されており、競走馬の品質向上が求められていました。そのため、競走馬の品質向上のための研究や技術革新が進められ、今日の北海道の競走馬産業が築かれました。

以上が、北海道が競走馬の生産が盛んな理由の一部です。また、北海道は競走馬の生産において、国内だけでなく世界的に有名な地域であり、海外からの需要も高いことが、競走馬の生産における北海道の重要性を示しています。