耕作放棄地で和牛放牧、、、そこで簡易牛舎が
大分県の耕作放棄地を和牛放牧として活用している記事の中に簡易牛舎についても触れられている。
もっと簡易牛舎というキーワードがもっと広まってほしい。
耕作放棄地で「和牛放牧」広がる 大分・豊後高田市 新規就農向け研修制度
5/19(木) 11:20配信日本農業新聞
大分県豊後高田市で和牛の放牧経営が広がっている。新規就農者が放牧するための研修制度を整備。地元の放牧繁殖農家が指導する。研修後は、耕作放棄されたミカン園などを再整備した放牧地で就農する。2020年には、市内で飼養する繁殖雌牛の2割を新規就農者の牛が占めるなど、畜産振興につながっている。(三宅映未)放牧地で繁殖雌牛の世話をする不死原さん
憧れの経営者夫妻が指導
放牧経営の指導に当たる永松夫妻(大分県豊後高田市で)研修制度「豊後高田市アグリチャレンジスクール」は、15年から始まった。茶園の跡地を使って繁殖放牧を経営する永松英治さん(72)、真理さん(72)夫妻の下で約2年間研修を受けて独立を目指す。放牧経営と同市の環境に憧れた移住者が、夫妻の下を訪ねて研修を志望したことが、制度創設のきっかけとなった。
永松夫妻は、繁殖雌牛50頭を管理する。簡易牛舎を建て、朝と夕方に2回配合飼料を給餌する以外は、多年生の牧草を植えた22ヘクタールの放牧地で伸び伸び過ごさせる。
子牛は年間15~20頭出荷して、700万~1000万円程度を売り上げる計算。冬季の分娩(ぶんべん)を避け事故を減らすなど経営のノウハウを研修生に伝える。
市は夫妻の経営を放牧繁殖のモデルに位置付ける。繁殖雌牛1頭当たり50アールほどの面積を目安に、耕作が放棄されたミカン農園などの情報を集め、補助事業などを活用して放牧地を整備。研修後に経営開始できるよう支援する。
繁殖雌牛3年で倍
移住者の一人・兵庫県出身の不死原末美さん(37)は、繁殖雌牛14頭を7ヘクタールの放牧地で飼養する。当初は市内の養豚を営む法人に就職していたが「動物好きで、就農して自分で飼養したい」と市に相談。17年から研修を受けて独立した。「自分のペースで作業できるのが魅力」と語る。15年以降、県外から計5組が就農。市内の繁殖雌牛の飼養頭数は20年に338頭と、3年間で約2倍に増えた。2割を新規就農者の牛が占める。市農業振興課は「市内ではこれまで和牛の肥育が盛んだった。繁殖でも新規就農者が底上げして頭数が増えている」と話す。近隣市町から放牧繁殖経営のノウハウを望む声も出ている。
一方、市内では既に条件の良い放牧地は活用が進んでいることから「受け入れを続けるには地権者との相談や周辺住民への理解促進などを一層進める必要がある」とみる。