農業被害 ハウス浸水、地鶏にも影響 大規模冠水の久留米

毎年のように起きる自然災害。

対策のしようがない。

災害ない地域での、農業しかないと思う。

日本に災害のない地域はあるのだろうか?

 

農業被害「見当もつかない」 ハウス浸水、地鶏にも影響 大規模冠水の久留米
Yahoo!ニュース 7/14(火) 12:06配信

 

福岡県大牟田市で2人が亡くなるなどした筑後地区の大雨被害から13日で1週間。大規模冠水が起きた久留米市では農業被害が広がっている。一方、各地でボランティア活動が始まるなど復旧へ向けた動きも出ている。大牟田市長は記者会見で事前の準備不足に言及した。

県内最大の農業産出額を誇る久留米市では、筑後川の支流の氾濫などで農作物に大被害が出ている。広範囲で葉物野菜など園芸作物のビニールハウスが水に漬かり、加温機など設備にも被害が出た。市は全容把握を急いでいる。

同市城島町原中牟田でネギを育てる原正之さん(47)のハウス(15棟、約75アール)は約60センチ冠水した。発芽前の3棟以外は全滅という。温度調節の機械も漬かり「被害はどれくらいか見当もつかない」と原さん。7月はネギの卸値が最も高いが毎年のように浸水と廃棄を繰り返す。「年間の栽培計画などを抜本的に考え直さないといけないのだろうか」と声を落とした。
近くのイチゴ「あまおう」の栽培農家田中光さん(53)はハウス約28アールが漬かった。8年前の九州北部豪雨で被災した後、高設栽培の高さを上げていたが、水は葉の位置に迫った。

城島町浜でコメ、あまおうをつくる中園稜人さん(72)も、イチゴのハウス5棟が冠水、流された資材の片付けに追われた。中園さんは「イチゴの苗が水をかぶって、消毒が必要になる」と汗を拭った。

陣屋川周辺で浸水被害が出た同市北野町。ホウレンソウやコマツナ、ミズナを育てる農業法人は9日、片付け作業に追われていた。ビニールハウス約80棟のうち約30棟が浸水。取締役の女性(70)は「約130センチの高さまで水が来た。長年農家をしているが一番ひどい」と力なく話した。葉物野菜は根元が水に漬かっただけで駄目になり、出荷量は半減の見込み。「設備などの補償はあっても経営的には火の車。根本的な解決を考えて」と訴えた。
ブランド地鶏「はかた地どり」にも被害が。農事組合法人「福栄組合」の同市三潴町の鶏舎2棟が浸水し約3千羽が死んだ。千羽は12日に出荷予定だった。被害は約500万円。近くの水路は内水氾濫した山ノ井川につながる。ブルーシートを張るなど対策をしていたが水が入り込んだ。中垣誠専務理事は「ぬれた鶏ふんを引き取ってくれる農家がいなければ廃棄費用がさらにかさむ」と落胆した。

新型コロナウイルスの影響で催し中止が相次ぎ、苦境の花農家。需要が上向き始めたところを大雨が襲った。同市善導寺町でハイビスカスを育てる田中比呂士さん(47)のビニールハウスは最大約1・2メートル浸水し、泥水で約5千鉢が売り物にならなくなった。「よくできたのに悔しいな」。10日、ハウスで片付けをしていた田中さんは、葉に泥が付いてしおれた株を抱えて途方に暮れた。損失額は約1千万円と見込む。

コロナ禍で収入ゼロの月も。今月下旬から出荷予定だったハイビスカスは、巣ごもり需要で好調なホームセンター向け。「本当に『救いの手』だと思っていた。言葉もない。行政は排水施設を整備してほしい」。田中さんは強く求めた。

一方、柳川市ではオクラやアスパラガス、水稲などに計1億5136万円の被害が出た。大牟田市も農林水産業被害額の算定を急ぐ