竜巻によるビニールハウスの被害(静岡県)

静岡県で竜巻と見られる突風が発生。農業用のビニールハウスなどにも被害が及んだ。

日テレNEWS24より

 

茶農家の女性、暗い表情「摘み取る予定だったのに」…突風で茶畑にガラス・瓦が飛散

竜巻とみられる激しい突風が、茶畑の広がる静岡県の牧之原台地を襲った。屋根瓦を吹き飛ばされた住宅、潰れた車庫、骨組みが折れ曲がったビニールハウス――。発生から一夜明けた2日、次々と明らかになる深刻な被害に、住民からは悲痛の声が漏れた。農業にも被害が生じており、県や地元の牧之原市が状況の確認を続けている。

「ちょうど摘み取る予定だったのでショック……」。牧之原市の布引原地区にある茶畑に金属片やビニールが飛散し、茶農家の女性(63)は暗い表情を浮かべた。霜を防ぐ農機も壊れてしまい、修理が必要になった。
茶摘みシーズンのさなかの被害に、「なんとか瓦やガラスを取り除いて、摘めるところだけでも摘むつもり」と話した。

突風で被害が生じた地域は茶畑が多い。市は、被害面積が15万5000平方メートルに上ると推計している。約2000平方メートルの茶畑を所有する男性(76)は「葉や枝が折れていて、収穫は2~3割減になると思う。自然災害なので仕方ないが、売る物がなければ商売にならない」と肩を落とした。

布引原地区から東に約3キロ離れた勝田地区でも一部で激しい被害を受け、イチゴのビニールハウスが軒並み倒壊した。近くの茶農家の男性(69)は「大事に育てたイチゴがこんなになり、同じ農家として『かわいそう』としか言えない」と思いやった。布引原地区にある自身の茶畑もトタンなどが散乱しているといい、「今は後片付けで頭がいっぱい」と話した。

川勝知事は2日午後、牧之原市内の被災現場を視察した。その後、報道陣の取材に応じ、「報告以上に被害が大きいことを知った。県として救援制度をフル活用し、一日も早い復旧を図りたい」と述べた。

同行した杉本基久雄市長は、茶の風評被害に懸念を示し、「茶商、飲料メーカーにお願いし、異物混入がないことを確認し、(茶を)引き取ってもらいたい」と望んだ。