畜産農場 組織を通じ経営継続

 

日本農業新聞の記事より。農業業界の組織力を感じた記事。

畜産農場で新型コロナウィルスの感染が確認された場合でも、経営継続ができるような対策。
生産現場、農家を守るための施策。

農水省傘下の組織や農協、畜協など、大きな組織の取り組みについては賛否両論があるが、農業という国を維持するためには必要不可欠な産業にを守るためにはこういった組織が必要だと思う。こういった危機にこそ存在意義が示されるのだと、思う。

組織を通じ人材確保

畜産農場などで新型コロナウィルスの感染が確認された場合、営農が継続できるよう、農水省は農畜産業振興機構(ALIC)の事業を通じて、代替人材の確保や家畜の緊急避難、畜舎などの消毒を支援する。
ALICの「新型コロナウィルス発生畜産農場の経営継続対策事業」として、8億1400万円の財源を確保している。事業実施主体となった畜種別団体やJAなどの組織が農家への人材派遣や消毒資材の提供などに取り組む。同省はJAなどに対し、事業の周知を進めている。

■感染時に救済
畜産農家自身や農場の従業員に感染者や濃厚接触者が確認され、一定期間の隔離などや必要となった場合、農家の要請を受けた組織が代替人材を確保する。
農家に直接人材を派遣するか、ヘルパー組合やコントラクターなどに派遣を依頼。農場での餌やりや搾乳などの作業が続けられるようにする。
関係組織が人材を確保する際に必要な経費として、酪農経営向けには1人1日当たり上限1万5000円、肉用牛、養豚、家禽(かきん)経営向けには同1万4000円を補助する。飼料生産組織には同1万6000円と設定している。

■緊急避難
乳用牛、肉用牛経営では代替人材を確保できない場合に備えて、公共牧場などに緊急避難させることも視野に入れる。農家の要請を受けた組織が同事業の補助を受け、牛舎の移動を手配する。組織への補助は、牛の往復の経費として1頭当たり7000円を上限に設定。管理委託費は、乳用牛では1日1頭当たり上限315円、肉用牛は同700円と設定した。入用牛には飼料の輸送費として、運搬車1台当たり1万4000円を上限に補助する。

■施設消毒
感染者や濃厚接触者が出て、畜舎や事務所を消毒する場合、農家の要請を受けた組織が消毒液や作業着など、必要資材を供給する。
補助費は1農場当たり8万円を上限に設定。発生農場が自ら消毒作業をすることを想定する。代替人材を2人以上受け入れている農場に対しては、消毒で使う作業服などを確保する必要が出てくることを考慮。1農場当たり上限8万円の補助に加えて、2人目以降は1人当たり上限6万円を上乗せする。

■生乳支援
新型コロナの影響で乳業工場の処理能力が低下するなどして、出荷できなくなった生乳の生産、廃棄にかかった農家の費用を補助する。
JAなどの組織がALICの同事業の支援を受け、農家に補助する。生産費相当分として支払われる金額は、出荷できなかった生乳量と地域の実情に応じた単価から算出する。

日本農業新聞 2020/05/19より