大雪ハウス倒壊大幅減。LINEで注意喚起などの対策

大雪でビニールハウスの倒壊。これは毎年のように起こる自然災害。

この対策に秋田のJAさんの取り組みが素晴らしいと思い、取り上げさせてもらった。

 

日本農業新聞さんの記事

2022年2月15日
積雪深平年比2倍でも…ハウス倒壊大幅減 備えの力131件→2件 秋田市

JA秋田なまはげ LINE注意喚起が奏功

積雪深が平年の2倍以上を記録した秋田市では今冬、雪によるハウスの倒壊が、昨冬の131件から2件(14日現在)まで減少した。昨冬の被害を教訓に農家が事前準備をしたことや、JA秋田なまはげによるLINEでの注意喚起などが奏功した。連日、降雪しなかったことも被害軽減につながった。農家は「誰もがハウス倒壊という経験を繰り返さないように気を付けたからだ」とみる。(川崎学)

気象庁によると秋田市の今冬の最深積雪は54センチ(1月20、21、28日)。一方、昨冬も大雪となり60センチ(1月9日)を記録した。昨季は連日の降雪などで除雪作業が困難となった。一方で今季は降雪に間隔があり、除雪が可能だったといった違いはあるが、積雪深に大差はない。ただ、今冬は雪による被害はほとんど出ていないという。

秋田市の農事組合法人おおさわは昨冬、大雪の影響でハウス5棟のうち3棟が全壊、2棟が半壊の被害を受けた。被害額は1000万円を超えた。

同法人は、被害を受けてハウスのパイプの直径を25ミリから32ミリに変更。さらに今冬、ネギの収穫が完了した12月中旬以降、ハウス内に支柱を10メートル間隔で3本設置した。除雪も適時行ったことで、今冬は大雪によるハウスの被害は出ていない。

佐々木治右エ門代表は「来年は支柱をもう1本増やしたい」と話す。一層のハウスの強化を検討し、雪害に備える考えだ。

対策浸透 昨季の教訓生きる

JA秋田なまはげなどによると、地域全体で雪害対策に取り組んだことで、被害は大幅に減少している。

JAは、通信アプリLINEを通じた農家組合員への情報発信を昨年から始めた。昨年12月24日と今年1月7日には緊急営農情報を配信。事前に大雪への警戒や除雪などを呼び掛けた。

JAの担当者は「今までは委託業者を通じて事前に準備した情報をメールで配信していた。LINEならリアルタイムで情報を配信できる。今後も急な情報配信にも対応していきたい」と話す。