中国でビル型養豚場の建設が増えている件、、、

中国でビル型養豚場の建設が増えている件、、、

ビニールハウスでいいだろ。

 

2022年5月31日
中国の養豚拡大 日本の飼料輸入に警鐘

中国でビル型養豚場の建設が相次いでいる。アフリカ豚熱の発生で養豚が打撃を受けたことで政府が規制を緩和し、豚肉自給率を95%に高める目標を打ち出した。同国の飼料輸入は今後も増える見通しで、日本は自給飼料の増産や輸入国の多角化で危機に強い畜産を築く必要がある。

ビル型養豚場の建設は、2019年から中国各地で始まった。18年のアフリカ豚熱発生を受け、豚肉価格が高騰したことを契機に、政府は農地規制を緩和し、ビル型養豚場の建設を認める新たな政策を打ち出した。豚肉の小売価格(全国平均)は、発生前の18年7月に1キロ当たり21元(約400円)だったが、19年同月には45元(約860円)、20年には70元(約1330円)に高騰した。

ビル型養豚場は、ホテルのような設備で各階の移動はエレベーター。豚への給餌や給水、掃除は人工知能(AI)を搭載した機械が行う。人件費が少なくて済み、疾病予防にもなるという。1万頭の豚を飼うには、伝統的な平屋建ての畜舎で4、5ヘクタールが必要だが、ビルにすれば敷地面積を大幅に抑えられ、異業種による参入が相次いでいる。

現地報道によると、6月には総額20億元(380億円)を投じた26階建ての養豚場が湖北省で稼働する。45ヘクタールで年間60万頭を飼養し、豚肉の増産を目指す。

背景にあるのが、中国政府が進める「第14次5カ年(21~25年)計画」だ。肉類生産を20年の7748万トンから25年に8900万トンに引き上げる。それに伴って増えるのが飼料穀物の輸入だ。21年の中国の大豆輸入量は9652万トンと世界1位、トウモロコシは2835万トンと、アフリカ豚熱発生前の10倍となった。ウクライナ危機の中でも海外から飼料を買い求める方針で、日本の買い負けが懸念される。飼料の増産を急がねばならない。

農水省は、現在76%の粗飼料自給率を30年には100%にする計画だ。減っているコントラクター(農作業受託組織)を増強し、稲わらや牧草などの完全自給につなげる必要がある。

問題は大半を輸入に依存する濃厚飼料だ。米国やオーストラリアなどに買い手が集中し、世界中で争奪戦が始まるのは必至だ。子実用トウモロコシの増産や飼料用米の活用、備蓄などあらゆる手段で対策を打たねばならない。

同省は「現時点では買いたい量は確保できている」(飼料課)としているが、ウクライナ危機に加えて世界的な異常気象で穀物需給は逼迫(ひっぱく)する。過度な輸入依存は禁物だ。政府は食料安全保障の確立へ国内の飼料自給を全力で後押しし、畜産の生産基盤を強化すべきだ。