農業機械用倉庫は「コスト」と「工期」をかけない時代に
マイナビ農業さんの昨年の記事ですが、共感できたので紹介させてもらいます。
倉庫に「コスト」と「工期」をかけないという部分に共感。
D型ハウス、パイプ倉庫、簡易牛舎、ハウス牛舎など、農業関係に利用する際の規制をもっともっと緩和して、生産者の負担を減らし、大規模農家だけでなく、小さな農家にも新しい選択をもっと与えてほしいと思います。
イカワ改拓社は、2016年に設立された農事組合法人です。代表理事を務める浅野博明さんは、2011年にサラリーマンから転職し、実家の水田を継ぎました。米作りの傍ら、集落営農組織の勉強会にも参加その際、地元の農家の高齢化が深刻であることに気付きます。個々で農業をすることに危機感を感じた浅野さんは、同年代の農家3名と協力し、法人化することを決めました。
農事組合法人を設立して3年目の現在、9名が農作業に従事しています。個人農家では曖昧になりがちな作業時間は、8時から17時までに固定。働きやすい環境づくりに努めたことで、若手の女性スタッフも活躍しています。イカワ改拓社では米作りを主力とする他、今年からネギの栽培にも挑戦しています。「米作りには、トラクターや田植え機、コンバインなど、多くの農業機械を使います。ですが、田植え機は5月頃しか使いませんし、コンバインは9月から10月で出番が終わってしまいます。それ以外は個々の小屋や倉庫で眠りっぱなしで、他の農具などと雑然とした状態にもなります。農事組合法人になったからには、その都度それぞれの機械を引っ張り出すのではなく、もっと効率的に格納し管理できればと考えました」と浅野さん。米作り用の農業機械を集約して効率化を図るために、事務所の隣に倉庫を建てることを決めました。
倉庫を選ぶにあたって、浅野さんが注目したのは、「コスト」でした。「倉庫の中で作業するわけではないので、蛍光灯を付ける必要もありませんでした。とにかく農業機械をしまっておくことができれば十分。その分、コストをかけたくないという思いがありました」。
基礎工事をし、柱を立て、壁や屋根を作るとなると、コストも工期もかかります。それよりも、組み立て式の既製品であればコスト、工期ともに抑えることができます。浅野さんは農機具メーカーの代理店からのアドバイスを聞きながら、いくつかの倉庫メーカーのカタログを取り寄せ、展示会にも足を運びました。その中で決めたのが、稲葉製作所の『イナバ倉庫』でした。「カタログがとても分かりやすくて、倉庫を建てたときのことを、はっきりとイメージすることができました。それに、稲葉製作所さんはネームバリューがあるのも安心につながりました」。「100人乗っても大丈夫!」のCMでお馴染みのイナバ物置は、小型から大型、ガレージまでサイズバリエーションが多彩。浅野さんが探したのは、農機具を運ぶ積載車が駐車できるくらいのスペース。『イナバ倉庫・ガレージシリーズ』の中から、奥行きが約9mのサイズを選びました。
着工が始まると、「工期」の短さにも驚いたといいます。「小屋を建てるとなれば時間がかかりますし、図面を見ながらその都度打ち合わせも必要です。それが稲葉製作所さんなら既製品ですので、打ち合わせが要りません。去年の7月頃に着工したのですが、8月に完成しました。その期間の多くは基礎工事にかかり、倉庫自体は2、3日で完成しました。農作業が終わり事務所に戻ってきたら、景色が変わっていてビックリしたのを覚えています」。倉庫を建てたことによるメリットは、農業機械の集約化だけではありませんでした。浅野さんはある出来事が、倉庫の必要性を再認識することにつながったといいます。
「昨年、盗難被害がありました。一人で持てるくらいの小さな機械ですし、外に置きっぱなしにしたのが悪かったのですが、近所でも小型の耕運機を盗まれていました。防犯カメラを付けるのも、セキュリティサービスに入るのも、建物があってこそ。囲いがなければ対策することが出来ません。防犯の意味でも、倉庫は必要だなと実感しました」。
農機具の盗難を機に、浅野さんは事務所だけではなく倉庫もセキュリティサービスに加入することを決めました。