JA斜里町が名称変更 来年JAしれとこ斜里に

JA斜里町の取り組みが書かれた記事に注目してみました。

合併や統合などで、JAの名称が変更になるケースはよくあるが、今回は戦略的な意図での名称変更。

この名称変更はブランディングや販売戦略を立てる上で効果を発揮すると思いました。

安易な変更は、マイナスですが、JA斜里町さんの判断は大きなプラスになると予想します。さまざまな企業とタイアップしやすくなり、ここ数年を効果が出てくるのでは?と思いました。

2005年に知床とが世界遺産に認定されるときに変更できていれば、もっと良かったのにと、思いましたが、、、(笑)

斜里町では、数棟、大型パイプハウスを建設しており、ゆかりのある地域です。名称変更をきっかけに地域の農家さんの所得向上と知名度アップで町おこしに繋がってほしいです。

 

知名度高め販売強化

来年JAしれとこ斜里に
JA斜里町 平田隆雄組合長

世界遺産・知床が管内のJA斜里町。4月の通常総会で来年2月に名称を「JAしれとこ斜里」に変更することに決定した。世界遺産の名前をJAに入れて、知名度の向上でブランド力や販売力を高め、組合員の所得増大につなげたい考えだ。「畑作3品という伝統は守りながら、新しいものも入れていく」と話す平田隆雄組合長に、変更のきっかや経緯、新しい名称に込めた思いを聞いた。

―名称を変えようと思ったきっかけは何ですか。
「斜里町」よりも「知床」のほうが知名度が高いからというのが大きい。1997年に地元の農協と漁協が組んで加工品を作ろうと「食海土(しょっかいど)」という買いができた。私が会長の時、地元の小麦を使ったラーメンを考えたが、札幌で話をすると「斜里ってどこなの」と聞かれる。知床といえば「ああ、知床って斜里町なんだね」といわれることが多かった。10年ほど前の話だ。
その時も名称変更を考えたが、多くの経費がかかると聞いて断念した。だが、にんじんジュースやそば、うどんなどの商品化を進めてきて、知床の名前を使ったJA名にしたいという思いは強くなった。2018年に組合員との懇談会で変更を提案すると、加工品があるなら、早く変えたほうが良いという声が多かった。

―どのように準備を進めましたか。
20、30代の若い農家の後継者やJA職員らで二つのグループを作り、それぞれ名称変更について話し合った。そこではバレイショ、てん菜、小麦の畑作3品には必要ないかもしれないが、知床の高い知名度を活用して、よりブランド力を高めようという意見にまとまった。名前は組合員と職員に公募し、最終的に「しれとこ斜里」になった。

―販売強化にどうつなげますか。
加工品についてはJA単体では難しい。企業などと連携し品質のより農産物を商品にして販売していきたい。販売高を増やすには付加価値を上げ半張り直を強化することが必要。そのための名称変更だ。畑作では、輪作体系を守ることが重要だ。斜里町は国内で3番にシストセンチョウが出た地域。豆類の導入なども考え、4,5年輪作で土づくりをしっかりやっていく。

―名称に何を期待しますか。
若い人の活性化だ。スマート農業の普及で、若手農家はトラクターの自動操舵に興味を持ち、乗る人が増えた。生産への気構えは着実に変わっている。次は販売面を活性化させたい。名称変更はそうした仕組みづくり、動機付けの一環だ。
昨年、JAは70周年を迎えた。畑作3品という伝統はしっかり守るが、名称変更を弾みに将来に向けてチャレンジしていく。知名度が上がるとその分、責任も増える。モチベーションにつなげてほしい。組合員や地域の人口は減る一方だが、残った人で一生懸命に取り組めるよう、JAもアピールしていく。

日本農業新聞 2020/5/12より