ほ育牛舎の需要高まる 標津町

標津町農協さんの取り組み

哺育育成施設への預託が増え、増築した後もほぼ満杯の状態が続いている。背景には、クラスター事業を推進した結果、飼育頭数が増加し、酪農家の哺育の負担が増加。負担軽減を目的とした外部委託の需要が高まっているとのこと。

昨年、弊社でも、道東で子牛の哺育舎を2棟パイプハウスを建設した。

簡易牛舎への脚光もさらに高まるのでは?と期待します。

 

北海道新聞さんの記事より

雌牛ほ育預託、需要好調 グリーンランド標津 酪農家の負担軽減
03/16 北海道新聞 電子版

 

【標津】標津町農協の子会社「グリーンランド標津」が運営するほ育育成施設への預託牛が増え、昨年3月に牛舎を増築した後もほぼ満杯の状態が続いている。町内の生乳生産量や飼育頭数はここ数年増加傾向で、酪農家の負担軽減を目的としたアウトソーシング(外部委託)の需要が高まっているようだ。

2014年に同農協が農場経営者とその配偶者らに行ったアンケートでは、配偶者の半数が「休日がほとんどない」と回答。搾乳に次いで負担となっている業務が牛のほ育・育成であることが分かった。結果を踏まえて15年に同社を設立し、17年4月に預託牛の受け入れを開始した。

現在、同農協組合員全148戸のうち42件が契約し、29戸が実際に預託している。町内2地区の牛舎で、生後5日から最長22カ月までの雌牛のほ育と育成を行い、受胎が確認された時点で農家に返す。昨年3月には、2地区の牛舎で計320頭分を増築し、全体の収容頭数を1250頭ほどまで引き上げた。

施設建設と増築にかかった総事業費約16億7千万円のうち約3割は国の補助制度「畜産クラスター事業」や町の補助金を活用した。

9カ月齢までは町忠類のトド山地区にある牛舎で5段階にわけて飼育する。生後60日までのほ育牛にはほ育ロボットを活用し、それ以降は牛が自由に動けるフリーバーン方式の牛舎で、町内でつくったロールサイレージや育成用配合飼料などを与えて育てる。

10カ月齢以降の育成牛は町薫別の崎無異地区で飼育する。刻みサイレージなどを与え、夏季には放牧も行う。同社の藤本一紘専務は「育成スピードが速く、多くの牛は12~14カ月齢で受精し、14~18カ月齢で農家に返還する」と話す。

町農協の生乳生産量は、同社が17年度の10万3517トンから、19年度には10万8046トンに増加。経産牛頭数も17年1月の1万1786頭から、20年1月には1万2317頭に増えた。

ほ育育成施設は、昨年夏ごろから満杯の状態が続く。同社社長の下西和夫同農協組合長は「生乳生産量や頭数の増加は、ほ育育成預託施設をはじめ、クラスター事業全般の影響が大きい」とみる。ただ、「これ以上の増築は土地がないので難しい。預託の需要がさらに増えれば対策を考えなければいけない」と話す。(小野田伝治郎)