高校生が考える地元の一次産業、、、七飯町
北海道の高校生たちが、一次産業を真剣考えてくれている。
こういった取り組みの積み重ねが、北海道の農業を支えていくんだと思いたい。
道南の1次産業、高校生探訪 七飯のNPO法人ツアー企画 サポート役は大学生、体験もとに商品開発も
08/25 05:00道南の高校生約20人が、地域の1次産業の現場を回って課題を学び、商品開発などを行う課題研究に取り組んでいる。七飯町のNPO法人「のこたべ」の主催で、今月8日には渡島管内の新規就農者やベテラン農家、水産加工業者を巡って話を聞くバスツアーを実施した。ツアーの企画や指南役は札幌や函館の大学生が担っており、学生にとっても実社会を学ぶ貴重な機会になっている。
8日午前、高校生たちは函館市桔梗町のラズベリー農家「Hakodate Berries(ハコダテベリーズ)」を訪問。経営する英国人のバンニントン・ユアンさん(29)、秋山直子さん(38)=東京出身=夫妻は「気候と物流の観点から、ビジネスとして成り立つと考え函館を選んだ。これからやりたいことが、いっぱいある」と力を込めた。
2人は今年7月、有機の果樹栽培を目指して新規就農した。就農までの歩みや今後の抱負を聞いた市立函館高3年鈴木愛菜(まな)さん(17)は「こんな大人がいると知って驚いたし、すてきだと思った。函館のよさも感じた」と話した。
課題研究は「のこたべ」の「道南わくわく探究塾」の一環。昨年に続き2年目で、今回は市立函館高と七飯高の生徒24人が参加した。バスツアーの体験をもとに、このうち17人が来年3月までに商品開発やフリーペーパーづくりを行う。大学生は年間を通して高校生をサポートする役割を果たす。今回は北大や道教育大函館校などから10人が参加している。
課題研究の初回となったバスツアーは、北大2年の谷郁果(ふみか)さん(19)が主体になって企画した。ハコダテベリーズで花の育苗を手伝った後は、北斗市一本木の有機栽培農園「しみず農園」でミニトマトを収穫。高校生たちは有機栽培へのこだわりや販路確保の方法、収益について農園の代表に質問した。さらに噴火湾産のタラコを扱う丸鮮道場水産(鹿部町)でも社長の話を聞き、道内産タラコの減少など課題も学んだ。
ツアー実施に当たり大学生は全ての訪問先を事前に訪れ、概要や話のポイントをリサーチ。当日は司会役を務め、高校生に質問を促すなど理解を助けるためサポートした。
ツアーには高校の教員も自家用車で同行したが、バスは高校生と大学生のみ。北大2年の西村聡真さん(20)は「話しやすさを感じてもらえれば。自分たちにとっても勉強になる」。谷さんも「現場を知ると、食べることを大切にできると思う。多くの人と知り合え、企画の勉強もできる。すごく面白い」と意欲を見せる。
今後は高校生17人が2グループに分かれ、本年度末まで活動を続ける。のこたべの平島美紀江代表は「住んでいる地域でも知らないことがたくさんある。学びながら、地域への愛着を深めてほしい」と話している。(鹿内朗代)