ビニールハウスで社会貢献!全天候型、陸上練習用屋内トラック

ビニールハウス施工会社のアグリハウスさんの素晴らしい取り組みが北海道新聞に取り上げられている。

アグリハウスの田中代表はビニールハウスの仕事を通して様々な地域貢献をされている方で、同業の私たちも尊敬している方です。

今回は、地域の高校陸上部のチーム、ビニールハウスで全天候型練習用トラックを作られた。

詳しくは以下、北海道新聞さんの記事をご覧ください。

 

ビニールハウス内に陸上トラック 走り込み冬も万全 旭龍谷高
01/16 13:29

【旭川】旭川龍谷高陸上部の女子チームが昨年末、都道府県代表47校が出場した全国高校駅伝(京都、通称・都大路)で過去最高の13位となり、前年の38位から大きく順位を上げた。躍進を支えたのは昨年10月末に同校グラウンドに完成した屋内練習場だ。1周330メートルのトラック(走路)全体がビニールハウスで覆われ、降雪に左右されない練習が可能になった。年が明けて寒さが本格化する中、部員たちは1年後の都大路に向け、きょうも雪のないトラックを走り込んでいる。

3年生が現役を退き、1、2年生の「新チーム」が始動した5日。旭川市内の気温は氷点下約4度、積雪は約40センチだったが、部員10人は約10度に暖められた屋内練習場で人工芝の上を黙々と走っていた。走路を覆うビニールハウスは高さ3・5メートル、幅5・4メートルと並走できる余裕もある。

昨年末の都大路で最長の「花の1区」(6キロ)を任され、区間16位の好成績をあげた1年の山本望結(みゆ)さんは「ここで夏と同じ練習ができ、結果につながった。次回はもっと良い順位でたすきをつなぎたい」と力を込めた。2年連続で2区を走り、区間17位の結果を出した2年の石川苺さんも「前回(区間37位)よりいい走りができた。雪上と普通の路面では走り心地が全く違う」と新しい練習場の利点を口にする。

■場内全体に温風

屋内練習場は今年8月に同校の移転先となる旧旭川東栄高グラウンドに約1500万円を投じて整備された。農業用ハウス施工のアグリハウス(旭川)が手掛け、強風や積雪に耐えられるようパイプは農業用よりも強度の高い鋼材を使い、ビニールも厚くした。暖房機とジェットヒーターが場内全体に温風を送り、照明も備える。

雪国に共通する悩みだが、旭川龍谷高も降雪期の練習場所の確保が長年の課題だった。積雪や凍結で足場が悪い場所を走ると、フォームが崩れやすく、けがの危険もある。そんなハンディを何とかしようと、同校陸上部の阿部文仁監督(45)は約10年前、親交のあったアグリハウスの田中幸夫社長(72)に相談を持ちかけた。田中社長は旭川大時代、駅伝の全国大会にも出場した長距離ランナー。阿部監督とともに道北陸上競技協会の役員を務めた時期もあり、「冬の練習で部員たちの役に立てないだろうか」とビニールハウスを活用した練習場の構想を温めていた。

適当な設置場所はなかなか見つからなかったが、同校運営法人が20年、高校再編で閉校となった旧旭川東栄高跡地を購入し、構想は具体化。詳細な設計を経て、ビニールハウスが楕円(だえん)形につながる屋内練習場は着工から1カ月あまりで完成した。

■春から秋と同じ

例年、部員は都大路が迫った11~12月、積雪を避けて週末に札幌市真駒内セキスイハイムアイスアリーナに出向いてスケートリンクの周囲を走ることもあったが、平日は悪路を気にしながら走らざるをえなかった。

だが昨年は完成したばかりの屋内練習場で十分に走り込むことができ、阿部監督は「しっかり調整できないと実力を発揮できない。最終調整で、春から秋と同じように練習できたことは大きい」と話す。

屋内練習場の評判は完成直後から全国の陸上競技関係者に広まり、都大路の期間中、阿部監督は質問攻めにあったという。部員たちの活躍を喜ぶ田中社長は「いろいろな人に使ってもらえるとうれしい。同様の施設が各地に広がれば」と巨大なビニールハウスを眺めながら夢を膨らませた。(和泉優大)